技術フォーラム
BODとは時々聞きますね。水質用語で、正式名は生物化学酸素要求量といいます。有機物の濃度の目安の指標(項目)です。英語で、Biochemical Oxygen Demand なので、各々の頭文字より、BODといいます。
有機物は、アルコールもあれば、酢酸のような有機酸、フェノールのような芳香族もあれば、糖もあります。多岐にわたるため、各々分析すると気の遠くなる時間とお金がかかり、事実上不可能です。ではどうするのか?となると、共通しているのが、酸素と反応して、二酸化炭素と水になることです。有機物量に比例して酸素が消費されます。この酸素の消費を微生物にさせるのが、BODで、化学薬品にさせるのがCODです。CODは別稿で述べましょう。このBODは色々な場所で使われています。身近なのは下水道でしょう。下水道はなんでもながせるのではなく、下水道法でBOD600mg/L未満と決まっています。ちなみに浄化槽が200mg/L未満で、この値は一般的な家庭の、トイレ、風呂、炊事、洗濯の混合排水の平均値と言われていますから、600mg/Lというのは結構大きな値です。しかし、ラーメン屋や食品工場では脂分が多く、この値を軽く超えてしまうため、グリーストラップという油捕集(阻集)器をつけて、600未満にしてから流します。
また、河川の指標もBODです。河川には環境基準(1級河川を中心に)が設定されていることがあり、いわゆる清流は1mg/L未満、きれいな河川で2、少し汚れていて5、都市河川のように汚れがひどいものは10と概ね決まっています。
このようにBODは水環境、排水ではメインとなる指標です。水道はどうかというと別指標が用いられています。別稿で示します。
いいね!