梅雨のときには、河川の濁りがあるなぁと感じたことがありませんか。
この濁りは多くが土砂分です。つまり、土の粒子が大半です。濁っているだけで、心配される工場や家庭排水の有害成分は少ないです。濁りは専門的には濁度、SS(浮遊物質量)といいます。濁度は見た目の濁り、SSは土砂分の重量濃度と考えてください。これらの由来は多くが山林やダムです。山林の表面に降雨があると、浸透する以外は、表面の土砂を削りながら、流下します。これが河川に入ると濁りになります。一方でダムの場合は、これも流入の河川由来が多いです。一般的に流入河川の水はダムの中で拡散され混じりますが、梅雨の時は、雨の水が比較的気温より低く、ダムに入ると、同じ水温域の底部に入ります。このため、濁った水が入っているはずなのに、ダムの表面は比較的きれいです。しかし、底部に入ってダムの水と混ざらない河川水はそのまま、放流されます。これが下流河川の濁りの原因となります。
基本的には土砂分なので、凝集沈殿法で簡単に除去できます。凝集剤は増えますが、大きな心配はいらないと思います。もっとも上流に畜産場や田畑があると、これらを洗った水が含まれるので、土砂分だけでなく、窒素、リンも豊富に含まれます。こうなると除去も少し大変です。河川水を使う方は、河川上流にどういった施設があり、どういった土地の利用をされているか把握しておいてください。場所は流域内のものです。この流域は河川防災マップに区画線が記載されていることもあります。別稿で流域把握法について述べます。