下水道や浄化槽では、汚れ(有機物)の除去に微生物を使うと言われています。しかし、どうやって除去するのでしょう。そもそも除去とはなんぞや、というところがあります。
この場合の除去は、摂食のことと考えてもいいです。でも微生物には口がありません(一部除く)。
ラッパ虫のように口らしきものがあれば、そこから有機物を取り込みますが、大半はありません。
この場合、細胞膜の外に分解酵素を分泌します。これにより、有機物が分解され、より低分子の有機物になります。
これを細胞膜を浸透させて細胞に取り入れます。この際に使われる方法は、能動輸送システムと言って、たんぱく質に有機物を吸着させ、回転扉の要領で細胞内にくるっと取り込むのです。こうやって取り込んだ有機物は、細胞内酵素により、エネルギー物質ATP生成に利用され、分解産物の水とCO2は細胞外に排出されるという仕組みです。
このようにミクロから水処理を考えると、微生物がとひとくくりにはできず、より詳細な現象が見えて、管理も細かくできます。水処理技術者はこのようなミクロの視点も、考えてみてください(大半の書籍はマクロ視点ですので、本HPの技術情報コーナーでも提供してまいります)。