ダム湖に行くと、よくダムサイト(ダム堤防)付近に、よく泡がぶくぶくしているのを見ませんか?これはばっ気揚水筒といいます。ダムは夏と冬の気温が高低すると、表面付近と底面付近の水温が大きく異なります。例えば、夏場は、水温付近は水温が30度程度まで上がりますが、水深が深くなると、いきなり10度以下になります。本当にいきなり変わります。この境目を水温躍層といいます。躍層の上部分と下部分は各々水が混ざりますが、越えて混ざることはありません。従って、表面にアオコが発生しても循環によって光のない底部にいくことはありません。この結果、アオコは死滅しにくく大発生するわけです。このようなことを防止するために、底部付近に筒を入れて、そこに泡(ばっ気)を入れると、エアリフト効果によって、底部の水が上に上がります。この結果、躍層を越えて水が循環しアオコが光のない底部に送られて、死滅するわけです。
このエアリフト効果は、浄化槽では多用されています。ポンプもなしに、空気をおくるだけで、水を上げることができるので、非常に壊れにくいです。エアリフトポンプはまた別稿で説明しましょう。