嫌気、好気は、水処理や水環境において、水中に溶けている酸素が、少ないか多いかの言葉です。少ないと嫌気といい、多いと好気といいます。一般に生物は、微生物も含めて酸素の中で生存できるので、好気の方がいいイメージで使われます。
水中の酸素量は、溶存酸素量(DO)という指標が使われています。これは、下水道のような水処理や、河川・湖沼のような水環境も同じ指標を用います。概ね25℃程度の水温で、酸素は約8mg/L溶けます。これを飽和酸素量といいます。嫌気は明確な基準はありませんが、約2mg/Lを下回ると嫌気だね~ということが多いです。下水道や浄化槽では1mg/Lのこともありますが、いずれにしてもそのあたりになると、嫌気になっていて、水をきれいにする微生物の生育が悪くなります。尤も嫌気状態でしか作用しない浄化もありますが、これは別稿に譲ります。逆に好気は水処理にとってはいいのですが、水環境、特に湖沼ではそうも言えません。これは過飽和状態、概ね約10mg/L以上になるということは、水中の植物プランクトンが酸素を吐き出していると言えるからです。つまり、植物プランクトン、特にアオコが大量に発生すると過飽和になります。
このようにDOは水の状態を把握するのによく使われる指標です。別稿ではより詳しくみていきましょう。